「OL」とは何か(OL論・第1講:OL論への招待)

🎄 2016-09-15

 僕は今年の4月から社会人になったのだが、僕のような「会社で働く男性」のことを、一般的にカタカナで何と呼ぶか。…そう、「サラリーマン」だ。これに対して全く異論はないだろう。本題はここからである。それは、「もしも僕が女性だったら、何と呼ぶか」だ。おそらく今あなたの頭に浮かんだ言葉は、「OL」ではないかと思う。実は今回の議題は、この「OL」という言葉についてである。

 というのも僕は大学時代、「女子大生」について、その人間関係やカルチャーを非常に深いところまで考察していた。しかし大学卒業してしまった今、周りに女子大生はいなくなり、そうしていくうちに僕自身も「女子大生論」に対して関心が湧かなくなってしまい、いわゆる「暇」状態になってしまっていた。

 やはり何か考えていないなと駄目だなと思い、「『女子大生論』の次は『社会人女性論』かな、いや、『社会人女性論』は長いから『OL論』というタイトルにしよう」と考えた。しかしそのとき、同時にある疑問も浮かんだ。

「あれ、『社会人女性』と『OL』って同じ意味なのかな」

 冒頭に書いたように、「男性会社員のことを英語(正確に言えば「カタカナ語」だが)で何という?」と聞かれたら、誰もが「サラリーマン」と言う。そして「『サラリーマン』の女性版は?」と聞かれたら、多くの人が「OL」と答える。しかし本当に、「サラリーマン」と「OL」は対応している言葉だろうか?

 あなたは「OL」という言葉を聞いてどのような女性を思い浮かべるだろうか。おそらく「事務職の女性社員」なのではないかと思う。これの何が問題なのかというと、「サラリーマン」が(ほぼ)あらゆる男性会社員を総称しているのに対し、「OL」は女性会社員のうちの一部しか表していない、ということだ。

 世の中の多くの人にとって、これはどうでもいいことだろう。しかし僕にとっては非常に大きな問題である。「OL論」というタイトルは短いし、分かりやすい。しかし「OL」は社会人女性の総称ではない。僕が研究したいのは「狭義のOL」だけでなく、多様な社会人女性の文化である。かといって「社会人女性論」というタイトルは、長い上にいまいちイメージが湧きづらい。

 何が言いたいのかというと、「OL」に代わる、「社会人女性の総称」を表すキャッチーな呼び名があれば良かった、ということだ(男性で言う「サラリーマン」のような)。それさえあれば、僕は満を持して「論」を始めることができたからだ。

 しかも、問題はそれだけではない。「OL」という言葉自体が、もはや時代錯誤になりつつある上に、ネガティブなイメージを持つ女性も少なくないという部分も、重要な論点の1つである。

 実は今回このブログを書くにあたって、実際に何名かの「社会人女性」に、「OL」という言葉の定義や、「OL」という言葉についてどう思うか等の聞き込み調査を行ったのだが、やはり「OL」という言葉に対し良い印象を抱かないという意見が見られた。

 もちろん僕は一切そのようなステレオタイプは無いつもりだ。「『社会人女性論』をもっとキャッチーでポップで分かりやすい名前にしたい」、ただそれだけのことである。だから僕は、「OL」という言葉の不完全さについてちゃんと理解した上で、「社会人女性論」を「OL論」と名付けることにする。

 以上が「OL論」の前置きである。次講以降では実際に社会人女性の文化や価値観、類型について等の考察を行っていきたい。

 また、蛇足ではあるが、上で述べた聞き込み調査や自分の考えから、新たな3つの「OL論用語」を作った。

1,「脱『OL』派」

・「OL」とはもはや古い表現であり、現代社会にはそぐわないため、積極的には使用すべきでない、と考える人物または集団。

2,「『OL』推進派」

・「OL」とは便利な表現であり、現状それに代替する言葉もないため、引き続き使用してもよい、むしろ禁止するのは言葉狩りである、と考える人物または集団。

3,「OL原理主義」

・「OL」とは、「民間企業で正社員として勤める事務職の女性」のことであり、それ以外はOLではない、とする考えのこと。なお、「丸の内の総合商社に勤める一般職女性社員」のみを「OL」とする「OL原理主義・過激派」も稀に存在する。

 

 以上の用語は「第2講」以降で使っていくので、皆さんも日常会話の中でこのような話題になった際はぜひ使用してほしい。

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