急いでいるのに暇だった

🎄 2015-10-21

 今日の午後1時15分、僕はものすごく急いでいた。これは本当だ。絶対に遅刻できない場面に遅刻をしようとしていたからだ。しかし、そんなに急いでいたのに、僕はスマホでゲームをした。「急いでいたのならゲームをしなければよかったじゃないか」。あなたはそう思うだろう。しかしこれには理由があった。

 徒歩。自転車。バイク。自動車。電車。この5つの移動手段の中に、1つだけ「仲間はずれ」がある。それは電車だ。では何が他の4つと異なるのか。

 今日の僕は、午後2時までに目的地へ到着しなければならなかった。その目的地とは、内定先の企業である。午後2時から配属面談があり、これに遅刻するとそれによるイメージダウンのせいで僕に不利な状況になる。しかし僕は、まさにそこへ遅刻しようとしていた。間に合わせるためには、まずは家から駅まで走らなければならない。走れば2分早く駅に着くからだ。だから僕は走った。それはいい。問題はその次だ。

 電車は速くならない。「歩く」を「走る」に変えれば、僕は速くなる。自転車や自動車も、自分で速度を変えられる。しかし電車は、速くならない。僕は急いでいる。家から駅まで走り、電車から降りたらまた走る。そうすればなんとか間に合う。しかし、電車の中では?

 確かに僕は、急いでいた。急いでいたが、車内では「暇」だった。電車はただ座っているだけで進むし、それに、どんなに焦っても、どれだけ申し訳無く思っても、速くならないからだ。つまり、急いでいるのに暇だったのである。そこで僕は、一息つき、スマホでゲームをした。

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