「新イケメン論」 〜「イケメンタル」の概念および「すき間イケメン」の登場〜

2017-07-07

はじめに

 世の中の男性は2種類に分けられる。イケメンであるか、そうでないかだ。

 男性の美の追求における終着点の多くはイケメンになることだ。世はまさに大イケメン時代である。

「イケメン」の問題点

 しかしながら、「イケメンかどうか」は先天的な要素がウェイトの大部分を占める。つまりイケメンかどうかは、努力ではなく生まれ持った顔立ちで決まってしまうことが多い。これは機会が均等に与えられているとはいえない状況である。

 また、一般的に使われる「イケメン」という言葉自体、定義が人によって曖昧である。

 よってここで、従来の「イケメン論」に代わる提案として、「新イケメン論」と題し持論を主張していきたい。

  • ここで流れたい挿入歌

    Stayn’ Alive
    / Bee Gees

    (00:00〜00:58)

辞書上での「イケメン」の意味

 そもそも「イケメン」とは何だろうか。明確にその定義を答えられる人は少ないだろう。しかしイケメンの定義が分からなければイケメンを語れないし、イケメンにはなれない。

 そこで広辞苑(第六版)を引いてみたところ、「いけ面」という単語を見つけた。そこにはこう書かれていた。


いけ面
(「いけている」の略「いけ」と、顔を表す「面」とをあわせた俗語か。多く片仮名で書く)
男性の顔かたちがすぐれていること。また、そのような男性。

from 広辞苑 第六版 ©岩波書店

 これを読んだ方はこう思ったことだろう。

「え、イケメンって、イケている『メンズ』の略じゃないの?」

 そう、広辞苑では「面」が由来とされているが、世間一般では男性を指す俗語である「メンズ」(※)が由来と思っていた方が多いだろう。僕もその1人である。なぜなら、「イケメン」から派生した言葉の1つである「イクメン」は「育児に積極的な男性」であり、この「メン」は「面」、つまり顔ではなくあくまで「men」だからだ。

(※)余談:ちなみにメンズは「men’s」、つまり「男性の(もの)」である。男性なら「メン」でいいのに、「ズ」は一体何者なのだろうか。考えてみたが、ファッション業界で使われることが多い「men’s wear」や「men’s style」等から転じて、男性そのものを「men’s→メンズ」と言うようになったのではないだろうか。とにかく正確な語源は分からない(余談終り)

 もう一度広辞苑の意味をよく見ると、「〜とをあわせた俗語『か』。」と書かれている。つまり新語である「イケメン」はまだ明確な定義が定まっておらず、意味界の権威である広辞苑でさえも語源や定義を断定できないのである。

 よってこれは広辞苑の編集部が「面説」を主張しただけで、他の辞書の編集部は「men説」を主張しているかもしれない。そこで他の辞書を引いてみると、こう書かれていた。


いけ-めん
容姿がすぐれている男性。
〔若者語。「いけてる(=かっこいい)」の略に「面」あるいは「メン(men)」をつけたものといわれる〕

from 大辞林 第三版 ©三省堂


いけ-めん
《「いけ」は「いけてる」の略、「めん」は「面」と「men」を掛けた言葉。ふつう「イケメン」と書く》
容貌、容姿ともに美しい男。
かっこいい男。

from デジタル大辞泉 ©小学館

 なんと「面説」と「men説」のどちらも主張している。非常に無難なスタンスである。「これとこれ、どっちが似合うと思う?」に対し「うーん、どっちも似合うと思うよ」と返すくらい無難である。

 ただその一方で、「面」と「men」を掛けた、というこの説は納得がいく解釈でもある。「イケメン」は実質、顔がかっこいい男性に使われることが多いからだ。その事実は否めない。

 以上、したがって、「イケメン」とは「イケている」の「イケ」と「面・men」を掛けた言葉であり、顔がかっこいい男性のことを指す…と言いたいところだが、ここで終わってしまっては意味がない。「新イケメン論」はこの定義に対する懐疑と異論だからである。

従来の「イケメン」に対する異論と新提案

 「イケている面」のことを、仮に「イケ面」と呼びたい(実際に広辞苑は「いけ面」と書いている)。辞書では「イケ面」と「イケメン」は因果関係ではなく同列で語られている。しかし、「イケ面」とは「イケメン」を構成する要素の1つではないだろうか。

 つまり、「イケメン」の配下に「イケ面」、つまり顔の良さがあり、他にも「イケメン」を作る要素があるのではないだろうか。

 そう、顔の良さはイケメンの一要素にしか過ぎないのだ。これが「新イケメン論」である。

 まず、「イケメン」のうち「イケ面」が「イケている容貌」なら、もちろん「イケている内面」も「イケメン」の要素に入るだろう。

 実際に、男性のスマートな所作に対し「イケメン」と称するケースはままある。

 よって「新イケメン論」ではこのイケメンの持つ高貴な精神性を「イケメンタル」と呼び、重きを置くことにしたい。

 また、「イケ面」と「イケメンタル」の他にも沢山の要素があるが、あまり大きな比重を占めないので今記事ではあまり触れず、下の表にまとめるに留めたい。

イケメンの要素分解:イケメンはイケ面(かっこいい精神)とイケメンタル(高潔な精神)をはじめ、イケメンション(場を盛り上げる発言)、イケ免疫(風邪を惹かない健康的な体)などに要素分解をすることができる

 僕はここに「イケメン=顔が良い男性」というこれまでの概念に対する小さな希望を見出した。つまり、先天的要素であり、庶民は絶対不可侵と思われていた「イケメン」という名の巨大な砦は、「イケメンタル」によって攻略することができるのではないかということである。

  • ここで流れたい挿入歌

    Let’s Hear It For The Boy
    / Deniece Williams

    (00:26〜01:22)

 仮に「イケ面」の最大値を100とすると、90台はジョニー・デップのような世界的に認められた男性の「面」であり、60台くらいになるとクラスのかっこいい男子の「面」といったところであり、ここまでが一般的に「イケ面」とされるボーダーラインであると言っても良いだろう。

 となると、30台や40台の「面」では、60台以上に達するのは非常に過酷な努力を要するということになる。つまり、「イケ面」的アプローチにより「イケメン」を目指すのは効率が悪い。

 しかし「イケメンタル」の場合は違う。「イケメンタル」、つまり内面の部分は努力すればするほどどんどんイケイケになっていく。元が20でも90台へ行くことも夢ではない。

 どうだろうか。「イケ面」をとにかく磨くよりも、「イケ面」の努力は50そこそこで留めておいて、「イケメンタル」を重点的に伸ばした方が「イケメン」に近づけると思わないだろうか。これが「新イケメン論」である。

「新イケメン論」の問題点

 もちろん問題点もある。

 それは、「どんなに内面が良くても、イケメンかどうかは見た目や第一印象で決まってしまうのではないか」ということである。というか、ここまで読んだ方の多くもこう思ったことだろう。

 確かに、イケメンかどうかは第一印象、すなわち「イケ面」で決まってしまうことは事実である。それは否めない。

スライド②:新イケメン論の問題点:(イケメンかどうかは第一印象で決まるということを図で示した)

 残念ながら、イケメンタルは目には見えない。星の王子さまも「大事なものは目には見えない」と言ったが、おそらくこの「大事なもの」はイケメンタルなのだろう。

 つまり、どんなに性格が良くても、どんなに所作がスマートでも、イケ面が足りなければイケメンにはなれないのではないか?解決策は無いのではないか?

 …いや、解決方法はある。

問題点の解決

 それは、スピードである。イケメンタルに必要なのはスピード感だ。なぜか?

 前述したように、イケ面は第一印象である。

 イケメンタルはその次の第二印象であり、いくらかコミュニケーションを取った後に表れてくるものだ。

 しかしイケメンタルにスピードがあれば?

 そう、イケメンタルが第二印象なのであれば、第一印象との差を限りなく縮めれば良いのである。

 つまり初対面の相手に「面」を見られた後、「この人、イケメンではないな…」と思考が移ってしまう前に、すかさず「肩にゴミ付いてますよ」と言うなどしてイケメンタルの部分を見せれば、相手は自分をイケメンと見なすのである。

(スライド③:新イケメン論の問題点の解決:相手が「この人はイケメンではないな」と思う前にすかさず「方にゴミ付いてますよ」と言い、イケメンタルを見せると、相手はこの人はイケメンだと気付く図)

  • ここで流れたい挿入歌

    Get a Bloomin’ Move On
    / Quincy Jones

    (00:00〜00:48)

おわりに

 ただ、初対面が写真である場合はどうにもならない。確かに「内面は顔に表れる」という言葉があるが、それは表情程度であり、イケ面に到達するためには難しい。

 また、「イケ面の値は低いがイケメンタルの値は高い男性=見た目は悪いが性格は良い男性」を、果たして世間一般は「イケメン」とみなしてくれるのか、という疑問もある。

 問題点はまだまだ続く。

 仮に、100人に1人が「イケ面」とみなすニッチでマニアックなイケメン、すなわち「すき間イケメン」がいるとしよう。残りの99人は彼を「非イケ面」とみなす。しかし1人は確実に「私は彼はイケ面だと思う」と主張する。これをイケメンと見なしてよいのだろうか。

 今後このような「すき間イケメン」、つまり「私は好きだよ」の価値観は増えていくことだろう。

 実際に、「人々の嗜好や価値観の多様化・細分化が進んでいる」と言われてから久しく経っている。またインターネットの普及により、これまでは需要が小さかったため答えられなかったニッチなすき間市場に、メディア側も対応できるようになってきている。

 100人に1人でも、日本中からかき集めれば100万人以上である。実際に、バンドマンや、インターネット発のYouTuberらも、たとえイケ面の値が低くとも、沢山の「彼はイケ面だ」と思うファンが集積することによりイケメンと化す、そんなケースが増えてきている。

 何かと「ダイバーシティー」が叫ばれる今日このごろである。確かに「新イケメン論」は穴が多い。しかし時代は着実にこちら側に来ている。イケメンタルの夜明けは近い。(終)

お知らせ

・久々の更新でした(魔王を倒すなど忙しかったため)。
・「写真」ページを作りました。普段撮った写真から印象的だったものを載せています。
・「本」ページ、「映画」ページのレイアウトと内容を更新しました。画像を増やし、PCやタブレットでも見やすくしました。
・「音楽」ページのレイアウトを変更しました。PCやタブレットでも見やすくしました。
・スマホで見た際の本文の文字サイズを、16ピクセルから18ピクセルに変更しました(iPhone5S等、画面が小さいスマホは14→16ピクセル)。文字が大きくなったので、お爺ちゃんやお婆ちゃんにも勧めてください。

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Comment

12 コメント - "「新イケメン論」 〜「イケメンタル」の概念および「すき間イケメン」の登場〜"

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め
ゲスト
め

更新楽しみに待っておりました。
個人的に、清潔感があり服装等身だしなみに気を使っている男性は実際の顔の偏差値以上にイケメンと感じるような気がします…

二條
ゲスト
二條

更新嬉しいです!
わたしは女ですが、男性の友人からも女性の友人からも、
イケメン(おそらく雰囲気かイケメンタルの意)と言われることがあるので、
イケメンタルの時代はやって来ると思います⍢⃝

鳥谷越
ゲスト
鳥谷越

ずっとずっと更新楽しみにしていました。
ちょうど昨日、佐々木さんお忙しいのかな、いつでもツイートしたらわかるようにしておこう、とツイッターの通知設定をしたところで、仕事終わりに電車でブログを読んでニヤニヤ幸せな気持ちでいっぱいです。
お忙しいなかありがとうございます、魔王を倒した話も聞きたいです。

cm
ゲスト
cm

こんばんは!
更新楽しみに待っておりました。
まさにわたしの思っているいけめん論と似ていてとっても嬉しくなりました。
BGMのチョイスも素敵ですね。

お知らせにあった写真のページも拝見いたしました。
旅行のお写真を見て、四ツ倉くんはお元気なのだろうかとふと気になりました。また四ツ倉くん絡みの記事も楽しみにしております!

なつみかん
ゲスト
なつみかん

更新待っていました!

読みながら、ふむふむ…と思っていました。イケメンタルの時代、これからきっとジワジワ来ますね♫

このイケメン論、女性に関してはもっとシビアなのでは…と思います。

男性ってスポーツできたり何かに特化していると、なんだか不思議とイケメンに見えてくることが度々あるように感じます。

一方の女子はというと…うーん…
女子の「キレイ」「かわいい」の基準も様々ですからね。

いろいろ考えさせられました。

次の更新も楽しみにしております!

みーマン
ゲスト
みーマン

久しぶりの更新とても嬉しいです!

イケメンというワードで四ツ倉くんを思い出しました…笑 お元気なのでしょうか…?

これからも更新楽しみに待ってます!

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